NULL 延金英一編 人間の証明 1980年 閲覧前の確認 本ページには精神的に負荷の高い描写が含まれます。ご自身の状態を考慮の上、閲覧をご判断ください。 指定:R18-G 含まれる描写 人体破損 本文を読む 戻る 10歳のこどもが。正親が。佇んでいた。 春の、あたたかい穏やかな風がそよいでいた。 正親の黒い髪が揺れる。 日光が正親の白い肌を照らす。 正親はほとんど首を傾けぬまま眼差しを延金英一に向けた。 その頬には赤い体液が飛び散っていた。 白いYシャツは赤い体液を吸って重たくなっていた。 あたたかい風が鉄の匂いを運ぶ。 それは、血の海だった。 虐殺の現場だった。 正親が、読心術を用いて己の脳に焼き込んだ回路をもちいて、 葛城家の者を殺し尽くした。 たったひとりのこどもによる、大量の人体破損であった。 まるで機械が人を押しつぶしたかのようであった。 まるで機械が人を引きちぎったかのようであった。 まるで機械が人を巻き込んで搾り取ったかのようであった。 延金英一はその光景をまざまざと目に焼き付けた。 立ち尽くしていた。 正親が佇む屋敷の外で。 呆然としていた。 …しかし。 「…正親!」 恩師が言葉を投げかけながら生徒に歩み出した。 「何やってんだ!」 「一体何があった!」 正親「構うな」 正親「”私”は怪物だ」 かつては”俺”と己を呼んでいたこどもが自己を定義した。 延金「おまえを```怪物にはしない!``` 屋敷に足を踏み入れながら延金が宣言した。 正親の脳に入ってくる延金の言葉と意志に齟齬はなかった。 延金が正親を抱きしめた。 黒髪が血に濡れている……。 ```…お前は怪物かもな``` ```認める。お前は怪物だ``` ```だがこどもだ。ただの。``` ```孤独な人間だ。``` ```僕は同行をやめない!``` ```正親``` ```お前に惚れ込んでいるだからだ_____``` 2026年6月27日