PRESENCE

審判

2017年

正親が堅に告げた。 「父と同じく怪物になる」と自己を決めた堅に。 「……」 「いいだろう」 「成るがいい。」 「護るのが疎ましければ、壊せ。」 「お前のやり方で。」 「だが本当に成れるかは関門がある。」 「”意図して壊せるか”だ。」 「…それが出来れば、お前を認める。」 「”私を超えた”とみなす。」 「……その時が 私と再び死合うときだ。」 堅「......」 堅「…”悪気はなかった”、と、言いたいのか」 正親「.....」 正親「そうだ」 正親「これが私の怪物性であり、人間性だ。」 正親「お前にできるか。」 ______人を壊すことが。 堅「.........。」 堅は目を伏せた。 堅「.........。」 …長考するかのように閉じた。 心を読む怪物の、手のひらの上で。 なにも思考を走らせなかった。 心を読まれない技術を身につけた、己の身体の応えに賭けた。 「…….。」 堅「やめる。」 堅が目を開いた。 その瞳を父に向けた。 堅「それがお前の世界の見方なら、……」 堅「…俺はその先に行く。」 堅「…お前には理解できない領域に」 その瞳は灰色だった。
2026年6月19日