PROJECTION

誘いの言葉:結合の役割選択およびその意思表示について

2016年 8月

ラブホテルで篠原がベッドに寝転がっている。顔が強ばっており作業を待っているような顔だ。 戸次が篠原の足元のほうからベッドに乗り、四つん這いで近づいてきた。笑みを浮かべながら篠原を見つめる。篠原はちょっと戸次の方に目をやるとすぐ目を逸らしてしまった。表情がさらに固くなる。 戸次「今日は……どっちやりたい?」 思わぬ問いに篠原は戸次の顔を伺った。 篠原「……?」 戸次「篠原さんが選んでよ」 篠原「………」 篠原はしばし戸次に困惑の目線を送ってしまったが、染み付いたくせで困惑の表情を作れないので、戸次は気づかない。篠原は目線を壁に逸らしながら回答した。 篠原「……俺を使ってください」 戸次「???????」 戸次「えっ……なになに?どゆこと?」 篠原「……挿入して下さい」 戸次「ブフォッwwww」 戸次「あっはははははwwww」 戸次「ごめんマジ、wwwwwwww」 戸次「wwwwwwwwww」 篠原「………。」(顔を背ける) 戸次「ごめん、マジ、なんかマニュアルみたいなこと言うから、wwwwwwww」 篠原「………そうですか。」(俯く) 戸次「はーー、あーーあ……(笑い疲れた)」 戸次「はーー………篠原さーん、そういうのはフツー"抱いてくれ"って言うんだよ?」 篠原「……そうですか。」篠原は眉間に深いシワを作った。自分の常識のなさに苦痛を覚えている。 戸次「(篠原の元気のなさにため息をつく)……え、じゃあちょっとまって?」 戸次「逆の時はなんて言うの?」 篠原は試されていると感じて正答を答えた。 篠原「………抱かせて欲しい……」 戸次「いやそうじゃなくて。それは今オレが教えたコトバでしょ?」 戸次「篠原さんならなんて言うの?」 最悪の設問が来た。 篠原「……………」 篠原「…………………」 篠原「………なかにいれてほしい」 戸次「こーわ」 戸次「いや結局どっち?ってなるしっ日本語難しっ」 篠原はズキズキ痛み出す胸を堪えながら壁に視線を向け続けた。 篠原「………紛らわしくてすみません……」(ぐったりしている) 戸次「謝んなくてよくない?オモロいよ?」 篠原「……………。」 戸次「…………。」 戸次「ま、いっか」 戸次「オレに抱いて欲しいんでしょ?」 篠原「、」 銃口を下ろすように壁に背けられていた篠原の視線が、戸次の顔に飛んだ。ほのかに篠原の体温が上がる。 戸次は黙ってニヤリと笑った。 戸次がゆっくり篠原に体を覆い被せた。始めるらしい。
2026年1月31日